電動昇降デスクの中でも人気の「FlexiSpot(フレキシスポット)」。しかし、使っていると突然「ASRエラー」が表示されて動かなくなることがあります。
この記事では、ASRエラーの意味と原因、具体的な対処法やリセット手順までをわかりやすく解説します。この記事を読めば、自分で解決できるようになりますので、ぜひ参考にしてください。
記事のポイント
- ASRエラーの意味と主な原因を解説
- FlexiSpotのリセット方法をステップごとに紹介
- 故障と勘違いしやすいケースも紹介
- 対処しても改善しない場合の対応策も解説
ASRエラーとは何か?原因と初期対応を知ろう
FlexiSpotのASRエラーは、電動昇降デスクに搭載されている自己診断機能によって表示される警告のひとつです。このエラーは、安全性を確保するために、何らかの異常や障害が検出された際に作動します。
例えば、デスクの動作中にセンサーが障害物や動作異常を検知すると、自動的に動作を停止し、このASRエラーを表示してユーザーに知らせる仕組みです。
ASRエラーの意味とは?
ASRとは「Anti-collision Sensor Reset」の略とも言われており、デスクの昇降に異常があった際に自動で停止する安全機能です。この機能は、万が一の事故や家具・機器との接触を防ぐために設計されており、安全面を重視したFlexiSpotの特徴の一つです。
センサーが過負荷や障害物を検知すると、瞬時にモーターを停止させ、コントロールパネルにエラー表示を行います。これにより、機械本体の損傷や周囲への被害を最小限に抑えることができます。
主な原因一覧
原因 | 説明 | 対処の難易度 |
---|---|---|
配線の緩み | モーターやコントローラーの接続不良 | ★☆☆(簡単) |
障害物の検知 | デスクの下に物がある | ★☆☆(簡単) |
センサーの誤作動 | センサー異常や感度が高すぎる | ★★☆(中程度) |
高さの同期ズレ | 脚の片方がずれる | ★★☆(中程度) |
FlexiSpotのASRエラーを解消するリセット手順
エラーが出たときは焦らず、落ち着いて以下の手順に従ってリセット操作を試みてください。FlexiSpotのASRエラーは一時的な異常であることが多く、正しい手順で対処すれば簡単に解消できるケースもあります。
ここでは、初心者でもわかりやすいように、順を追ってリセット手順を詳しく解説しますので、ぜひ最後まで確認しながら進めてみてください。
電源コードをチェック
まず、すべての配線がしっかり接続されているかを確認しましょう。特に、モーター、電源アダプタ、操作パネルの各ケーブルはしっかりと差し込まれているか、ゆるみや抜けがないかを一つずつ丁寧にチェックしてください。
これらの接続が不完全であると、FlexiSpot本体が正しく動作せず、ASRエラーを検出する原因になります。また、ケーブルに折れや断線がないか、外観からも異常がないか確認することも重要です。
特に、引っ張ったり、踏んだりして物理的に損傷している場合は、エラー発生率が高くなるので注意が必要です。
障害物がないか確認
デスクの昇降時に障害物があると、自動停止機能が作動してASRエラーになります。これはFlexiSpotの安全機構が正常に働いている証拠でもありますが、意図せずエラーが出てしまうと作業が中断されてしまいます。
デスク下、周辺の物を一度取り除いてください。特に椅子の背もたれやケーブル類、収納ボックスなど、見落としがちなものも要チェックです。また、昇降範囲内に手や足が入り込んでいないかもあわせて確認しておくと安心です。
初期化(リセット)操作を行う
以下のステップで、ASRエラーの解除や脚の同期ズレ修正が可能です。
step
1電源が入っていることを確認する
デスクの操作パネルに数字が表示されている状態であること。電源コードや操作パネルの接続が正しくされているか確認。
step
2デスクを一番下まで下げる
「▼」ボタン(または「Down」ボタン)を長押し。デスクが完全に下まで下がるまで押し続けます。
step
3さらに5〜10秒間押し続ける
下限位置に達した後も押し続けることで、リセットモードに入ります。一部のモデルでは「ピッ」と音が鳴ったり、パネルに「RST」や「ASR」と表示される場合があります。
step
4リセット完了
リセットに成功すると、再び上下操作ができるようになります。昇降動作がスムーズであれば、エラーは解消済みです。
モデルによって操作が異なる場合があるので、マニュアルの確認もおすすめです。特に、FlexiSpotには複数の製品バリエーションが存在し、それぞれに専用の操作パネルや機能が搭載されています。
モデル名 | 操作パネル表示 | リセットの違い |
---|---|---|
EB2, EC1など | 数字+ボタン | 「▼長押し」方式で共通 |
E7, E8, E5など(上位モデル) | タッチ式パネル | 「M」+「▼」の同時長押しなどの操作が必要な場合あり |
EN1, EN2 | ボタンパネル | 「▼」のみでリセット可能 |
ASRエラーが繰り返し起きる場合の対策と注意点
何度もASRエラーが出る場合は、何らかの異常が継続している可能性があります。たとえば、一度リセットしてもすぐに再発する場合は、単なる一時的なエラーではなく、内部的な構成や使用環境に根本的な問題があるかもしれません。
繰り返しエラーが出る状況では、単なる操作ミスではなく、継続的な異常や本体内部のトラブルが関係している可能性があるため、慎重に対処することが重要です。
センサーの感度を確認・調整
一部のモデルでは、衝突検知の感度設定が可能です。設定が高すぎると、ちょっとした揺れや振動、または電源オン時の微細な動作にも反応してしまい、すぐにASRエラーが出てしまうことがあります。
感度が過剰な状態だと、本来は問題ない昇降操作でもエラーとして認識されてしまうため、必要に応じて感度のレベルを中程度または低めに調整することで、誤作動の頻度を減らすことができます。
操作パネルやマニュアルに設定方法が記載されている場合が多いので、まずは自身のモデルが感度調整に対応しているかを確認するとよいでしょう。
高さの同期ズレをチェック
昇降脚が同時に動いていないとエラーになることがあります。FlexiSpotの電動昇降デスクは、両脚が同じ高さ・同じ速度で動作することを前提に設計されているため、わずかなずれでもエラーとして検出されることがあります。
左右の脚の高さを目視で確認し、明らかに傾いていたり、高さに差があるようであれば、速やかにリセット操作を再実施しましょう。また、昇降中の動作音や振動の違いからも異常を感じ取れる場合がありますので、音や動きにも注意を払って確認してみてください。
電源環境の見直し
タコ足配線や電圧不足も誤作動の原因です。電源タップに複数の機器を接続している場合、電圧が不安定になり、FlexiSpotの正常な動作を妨げることがあります。直挿しコンセントを試してみましょう。
また、何も起こらない場合は、コンセントを抜いて10秒ほど置いてから再試行してください。リセットしても直らない場合は、感度設定、接続ケーブル、センサー不良などの可能性があります。
故障の可能性を確認
何度試しても改善しない場合、モーターや制御基板の故障が考えられます。これらの内部コンポーネントが破損または異常動作していると、ユーザーが操作や設定で対応できる範囲を超えているため、自己解決は難しくなります。
特に、リセットを何度行ってもエラーが直らず、昇降時に異音がする・片脚のみ動作する・全く反応しないといった症状が見られる場合は、内部の機械的・電子的トラブルが濃厚です。サポートへ連絡するのが賢明です。保証期間内であれば無償対応の可能性もあるため、早めに問い合わせましょう。
FlexiSpotのサポートに連絡する前に確認したいこと
確認事項 | 理由 |
---|---|
保証期間内か? | 無償修理の対象になる可能性があります |
購入時の納品書 | サポート時に必要です |
使用環境(設置状況など) | 不適切な使用が原因の場合、対応外のことも |
FlexiSpotのASRエラー対策まとめ
記事の総括
- ASRエラーは主にセンサーの反応や配線トラブルが原因
- リセット操作で解決するケースが多い
- 繰り返す場合は感度設定や電源環境を見直す
- どうしても直らない場合はサポートへ連絡を
以下に、FlexiSpot昇降デスクの代表的なエラーコード一覧と対処法を表でまとめました。
エラーコード | 内容 | 原因の例 | 対処法/リセット手順 |
---|---|---|---|
ASR | 初期化エラー(高さ同期ズレなど) | 昇降脚のズレ/障害物検知/センサー誤作動 | リセット操作を行う |
E01 / E1 | モーターまたは昇降脚の接続エラー | 配線のゆるみ/片方のモーターが不動 | 配線を確認→電源再接続→リセット |
E02 / E2 | 昇降中の過負荷 | 重すぎる荷物/モーターに過度な負荷 | 荷物を取り除き、冷却後にリセット |
E03 / E3 | 障害物検知(衝突防止センサー作動) | 昇降中に障害物接触/感度設定が高すぎる | 障害物を除去→必要なら感度を調整→リセット |
E04 / E4 | 高さデータ異常/脚の同期ズレ | モーターの出力不均衡/ケーブル断線 | 電源を抜き再接続→リセット→改善しない場合はサポートへ |
E07 / E7 | コントローラの内部エラー | 制御基板の故障/初期不良 | 電源再投入→改善しない場合はメーカーサポートへ連絡 |
※モデルにより表記が異なることがあります。マニュアルを参照してください。
よくある質問(FAQ)
FlexiSpotのASRエラーは故障ですか?
故障とは限りません。多くはセンサーの反応や設定ミスによる一時的なエラーです。
リセット操作で直らない場合はどうすればいいですか?
保証期間内であればサポートに連絡して修理や交換の相談をしましょう。
何度もASRエラーになるのはなぜ?
配線や使用環境、センサー感度の問題など複数の要因が考えられます。再発する場合は専門対応が必要です。